スリットコーティング(Slit Coating)は、薄膜形成技術の一つで、液体材料をスリット状のノズルから基板に供給し、均一な薄膜を形成する方法です。この技術は、特に大面積の基板や連続プロセスに適しています。
スリットコーティングのプロセス
- 液体材料の供給
- 方法: 液体材料(例:フォトレジスト、ポリマー溶液など)をスリットノズルに供給します。ノズルの幅はコーティングする基板の幅に対応しています。
- 基板の移動
- 連続移動: 基板を連続的に移動させながら、スリットノズルから液体材料を供給します。基板は通常、搬送ベルト上を一定速度で移動します。
- 薄膜形成
- 均一な塗布: スリットノズルから液体材料が基板に均一に塗布されます。液体の粘度や供給速度、基板の移動速度を調整することで、均一な膜厚を得ることができます。
- 乾燥/硬化
- 方法: 塗布された液体材料を乾燥または硬化させて、最終的な薄膜を形成します。乾燥はオーブンやUV光などを使用して行います。
スリットコーティングのメリット・デメリット
メリット
- 高い生産性
- 連続プロセス: 基板を連続的にコーティングできるため、高い生産性が得られます。
- 均一な膜厚
- 精密制御: 液体の供給速度や基板の移動速度を精密に制御することで、非常に均一な膜厚を実現できます。凹凸のある基板に対しても平滑な塗面を形成可能です。
- 大面積対応
- 広いノズル幅: スリットノズルの幅を基板の幅に合わせることで、大面積の基板にも均一にコーティングできます。
- 材料の効率的な利用
- 低いロス率: スピンコーティングに比べて、材料のロスが少なく、効率的に利用できます。ロス率は10%以下と言われています。
デメリット
- 設備フットプリント
- 設備サイズ: 連続生産のためにはコンベア等を設置する必要があり、設備面積が大きくなるため広大な工場面積を必要とします。
- 基板の制約
- 基本的にノズルを並行移動することしかできないため、ウエハのような円形の基板への塗布は困難です。そのため、スリットコートは主にパネルやフィルムなどへの塗布に用いられます。
スリットコーティングの用途
- 半導体製造: フォトレジストの塗布や薄膜形成に使用されます。
- 薄膜デバイス: 光学コーティングや有機エレクトロニクス、さらには有機薄膜太陽電池の製造に適しています。
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