フォトリソグラフィ(Photolithography)

フォトリソグラフィ(Photolithography)は、半導体デバイスや微細構造を製造するための光を使った微細加工技術です。この技術は、光を使用して特定のパターンをフォトレジスト上に転写し、その後のエッチングやドーピングプロセスでそのパターンを基板に転写することを目的としています。

  

フォトリソグラフィの工程

  1. 基板の準備
    • 洗浄: 基板(通常はシリコンウェハー)を徹底的に洗浄して、汚れや有機物を除去します。
    • 酸化膜の形成: 基板上に薄い酸化膜を形成することがあります。この膜は後のエッチング工程で役立ちます。
  2. フォトレジストの塗布
    • コーティング: 基板上にフォトレジストを滴下し、高速回転させて均一な薄膜を形成します。これにより、フォトレジストが均一な厚さで塗布されます。なおコーティングにはスピンコーティング、スリットコーティング、スプレーコーティングなどが挙げられます。
  3. 露光
    • マスクの配置: 基板上にフォトマスク(回路パターンが描かれた透明なプレート)を配置します。
    • 光の照射: 紫外線(UV)や電子線などの光をマスクを通してフォトレジストに照射します。露光された部分のフォトレジストが化学的に変化します。
  4. 現像
    • 現像液による処理: 露光されたフォトレジストを現像液で洗浄し、不要な部分を溶解・除去します。これにより、基板上にパターンが形成されます。
  5. エッチング、めっき
    • ドライエッチング/ウェットエッチング: 現像後の基板をエッチング工程にかけ、フォトレジストで保護されていない部分の基板材料を除去します。
    • めっき: 現像後の基板をめっき工程にかけ、フォトレジストで保護されていない部分に金属配線を形成します。
  6. フォトレジストの除去
    • 剥離: 残っているフォトレジストを剥離剤で除去します。この後、パターンが形成された基板が得られます。

 

まとめ

フォトリソグラフィは、非常に精密で高解像度のパターンを作成するための技術であり、現代のエレクトロニクス製造において不可欠な工程です。

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